12/03/2009

GR Digital III

ついに買ってしまった.

GRデジタルの系譜は,1996年に発売された銀塩35mmコンパクトカメラのGR1に遡る.コンパクトカメラながら画質をとことん追求し,その28mmの単焦点GRレンズは抜群の性能を誇った.コンセプトをそのままに,GR1のデジタルバージョンとしてGRデジタルが発売されたのが2005年.3代目のIIIがこの夏に登場した.

正直,GR1の時代からずっと気になっていたのであるが,まだ銀塩が頑張っていた頃は一眼レフカメラもレンズもたくさんあって,敢えてGRを買う必要を感じなかった.そのうちデジタル全盛になってGRデジタルが出た.これは銀塩と併用できるデジタルサブカメラとして使えるかな,と思っていたが,留学中だったこともあって(アメリカでは公式には売っていなかった),しばらく様子見を決め込んだ.帰国して,折良くIIIが出た直後だったので今回ついに動いたという次第である.

このカメラの魅力は,やはりそのコンパクトさと,28mm(相当)の単焦点広角レンズで画質を追求した点だと思う.コンセプトを明確にし,性能の向上と使いやすさを追求し,一方で余計な機能を省いた思い切りは素晴らしい.こういう点が一般に受けているのかどうかわからないが,GRはかなり売れているらしい.みんながもてはやすものには逆に背を向けたくなる天の邪鬼な僕であるが,今回ばかりはGRの魅力に負けてしまった.

僕にとっては,銀塩ミディアムフォーマットが依然「真面目に」写真を撮るためのカメラである.デジタルカメラはブログその他の「お気軽」撮影用.しかし,真面目に撮ろうと思えばそれなりの画ができてしまうこのカメラを手に入れたことで,その認識が少し変わるかもしれない.いつでも持ち歩けて気軽に撮れるこのカメラだからこそできる撮影の仕方を楽しんでみることにしたい(しかし,やはりオートフォーカスにだけは馴染めませんね).

http://www.ricoh.co.jp/dc/gr/digital3/