7/18/2007

安藤カメラ

Microflexのピントがどうも甘いので,調整してもらうことにした.いずれすべてのカメラを日本に持って来なくてはならないので,今回の一時帰国にあたって名古屋の実家にMicroflexを持ち帰ってきた.修理屋に直接持ち込もうとしたが,いかんせん名古屋の修理屋の情報は乏しい.そこで中古カメラ店にあたってみたところ,カメラ雑誌の広告でもおなじみの安藤カメラで修理を受け付けてくれるとのこと.Microflexを携え,車を運転して名東区藤見ヶ丘に向かった.

店に着くと,ご主人は用事で留守とのこと.代わりに店番をしていたのはカメラの代金を払いに来たというどこかのおじさんである.僕の持っていたMicroflexを見たいというので見せてあげたら,二眼レフの話になった.

知り合いに二眼レフコレクターがいるらしく,戦前戦後の主に国産モノを集め出して今や100台以上所有しているとか.大半は使い物にならないものらしく,本当に使いたいものだけ修理に出して使う,つまり集めることに意義があるのだ.国内に現存するものはカビや使い込まれてボロボロになっているものが多く,むしろ戦争直後にアメリカに流出したもの(復興を目指していた光学・カメラメーカーの得意先は主に進駐軍であった)が今でも比較的よい状態でeBayなどに売りに出されることが多いという.話をしている当のご本人もコレクターで,一眼レフ以外は何でも集めているという.目の前のショーウィンドーに飾ってあったErnemannの蛇腹カメラをこの前2台買ったそうだ.「これは80年前のカメラだが,1/1000秒のシャッターが切れる.でも,今1/1000秒で切るとシャッターが幕速に耐え切れずにそのままオシャカになる可能性があるので,たまに1/250秒くらいのシャッターを切って楽しむ」のだそうだ.フィルムは現行のものは自分でカットするか,稀少品を入手しなければならないので面倒らしい.うーん,コレクターっていうのは本当に集めて所有することが好きなんだなーと感心(そして話好き).

そんな話をしている間にご主人が戻ってきて,コーヒーを一杯淹れてくれた.すっかり長居してしまったが,修理の見積もりをしてもらうためにMicroflexを託してお店を後にしたのであった.